歩く幽霊

元気のあるときに書くよ

Fine:「劇場版冴えない彼女の育てかた Fine」についての感想とは呼べない感情の垂れ流し

(※映画のストーリーなどのネタバレあり)

 

 

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(これは誕生日に友達からもらったねんどろいどの英梨々!) 

 

 

2019年11月2日(土)。

初めてこの足が大地を離れた飛行体験のあと。

 

横浜在住の友人と横浜市の某ショッピングモールで合流し,

同市にある大きめの映画館に向かった。

 

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目的は,当時話題となっていた映画「冴えない彼女の育てかた Fine」であった。

 

(映画自体の詳しい感想等は,一緒に観に行った私の友人の書いた下記記事に余すことなく垂れ流されているのでこちらを参照。)

kamitsuru.hatenablog.jp

 

作品の簡単な感想を言えば,すごく胸に響く,苦くてでも甘い,

観たあとに爽やかさと(色んな意味での)切ない気持ちになる,

自分が今まで観たアニメ映画の中でも最上位に食い込むものだった。

 

倫也と恵の関係性の変化については,アニメシリーズでも描かれていた。

劇場版ではさらに丁寧に,2人の距離が徐々に縮まり,ただの「プロデューサー」・「メインヒロイン」を超えた関係性に発展していく過程が丁寧に描かれていた。

 

個人的には,倫也と恵がビデオ通話で打ち合わせをしつついちゃつくシーンがクリティカルヒットした。

 

唐突に通話を切るところとか,やりとりとか。

互いに名前で呼び合うようになり,それを周囲には隠してしまう初々しさとか。

 

中盤,紅坂朱音が倒れたことで倫也が詩羽先輩と英梨々を手伝うことになり,

恵との関係がぎくしゃくしてしまうところ。

 

恵が美智留・出海ペアにつっつかれて倫也への本音を吐いてしまうところ。

 

すべてを乗り越え,フィールズクロニクルも自身のゲームも完成にこぎつけるところ。

 

そして,最後の恵への告白と,英梨々とのやりとり。

 

詩羽先輩の歌う「ラブ・ストーリーは突然に」。

 

どれをとっても,いらないシーン,嫌いなシーンがなく,

アニメ版を含めたすべてのエピソードがこの結末のためにあったのだと感じられる映画だった。

 

本当に楽しくて楽しくて,でも自分の中の感情や記憶を逆撫でさせられる,

辛い映画でもあった。

 

また,「登場人物がなぜあそこであのような行動・発言をしたのか」について,アニメ版を観ただけでは理解できないところがあった。

 

原作を読み,我々は加藤恵を,霞ヶ丘詩羽を,澤村・スペンサー・英梨々を,識らなければならないと強く感じた。

とりあえず原作を少しずつ読み進めて,自分なりの解釈を持ちたいと思う。

 

そして手始めに,円盤が出たらかならず買うと決めた。 

 

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ここから先はただただ個人的な感情をつらつらと吐き出すだけ。

 

冴えない彼女の育てかた」という作品に出会ったのは大学3年生ごろのとき。

アニメ開始前からかなり話題になっていた作品であったこと,単純にキャラが可愛かったので(後にそれが澤村・スペンサー・英梨々であると知る。),

なんとなく視聴を決めた。

 

案の定ドハマリし,他のラノベ原作ラブコメとは似て非なる設定や主人公の熱さ,ヒロインのブッ飛び具合,素晴らしいOPED楽曲に惹かれ,毎週の楽しみとなっていた。

沢井美空さんが歌うエンディングテーマ「カラフル。」の歌詞ツイートを一時期垂れ流しにしていた。)

 

そして,そこまで冴えカノが好きになった理由には,当時付き合っていた女性もハマっいたということが大きかった。

 

しかしその後その人とは別れ,その後第2期の放送が始まった。

正直なところ,前のような気持ちで作品を観ることはできなくなっていた。

 

楽曲などはときどきCDを買ったりして回収していたが,肝心の本編を観ることは執拗に避け,仲のいい友人から冴えカノの話を振られても当たり障りのない返答で流してしまうことが多かった。

 

そうして,2年ほど過ぎたあと。

 

長距離ドライブのお供として不定期に聴いていた,ラジオ「ゆうがたパラダイス」における,三森すずこさんがメインパーソナリティを務める「三森すずこのアニソンパラダイス」を聴いていたところ,春奈るなさんがゲストに招かれていた。

そして,「冴えない彼女の育てかた」が映画になること,主題歌の歌詞は春奈るなさんが冴えカノのために書き下ろしたこと,などを聴き,なんとなく今なら観られそうな気がしてきた。

 

帰宅後すぐに2期を全話観た。

 

正直,なぜ今まで観なかったのかと自分を殴りたくなるくらい,素晴らしくて辛くて苦しい青春譚だった。

 

 そして翌週には映画館で劇場版を観て。

 

倫也と恵が仲を深めていく過程を観て。

かつての自分の経験とか感じた気持ちとか,相手が好きだけど踏み込めない気持ち,踏み込みたい気持ち,そういう感情の激流のようなものを思い出させられた。

 

そして,「お前は今なにをしているのか?」「何を成したいのか?」「お前にもこういう結末を選び得たんじゃないのか?」と突きつけられているような気分になった。

 

さいころ,文章を書いたりお話を考えるのが好きで。

中学の頃であったBUMP OF CHICKENの影響で高校の最初の半年だけバンドをやって。

音楽が好きで,友人からの誘いでアニクラにVJとして出るようになって。

 

それで結局,大学を出てよくわからないところのよくわからない事務職員になって。

ずっと掲げていた「故郷に帰り自分の帰る場所を手に入れる」という目標も果たせず。

わかってもらえてると思っていた人に結局理解されず。

 

そうやって腐っている自分に色んなものを突きつけられている気がして,鑑賞後はなにも考えられず,なにも言葉を発せられず。

 

2ヶ月経ってようやく文章に起こせるくらいには自分の中の整理がついてきて(悪く言えば衝撃を忘れてしまって)。

 

自分の未来を,人生を,どうしようかなと,考えずにはいられない。

そんな冬の夜。