歩く幽霊

元気のあるときに書くよ

劇場版 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL 感想(ネタバレあり)

『手が届くのに手を伸ばさなかったら,死ぬほど後悔する。

   それが嫌だから手を伸ばすんだ。』

 

 

12月29日,7年来の親友2人とともに,約束の地へ赴いた。

 

   恥ずかしながら,MOVIE大戦から平成ジェネレーションズへ表題が変わってからは一度もコラボ系の劇場版を観たことがなかった。そのためあまり内容には期待しておらず,今回観ることになったのも友人と観に行くという理由があったというのが大きかった。しかし,その低い期待は良い意味で大きく裏切られた。

 

   話の流れは,やはり歴代のMOVIE大戦等に近い。現ライダーと前ライダーが主軸となり,強大な悪に立ち向かっていく。本作において,それはビルドとエグゼイドであった。

 

  序盤,仮面ライダーになりたての万丈(某漫画の影響でバンジョイと呼んでしまう)は,戦兔から「なぜ仮面ライダーとして戦うのか」という問いを投げかけられ,悩む。おそらくこの,「仮面ライダーたちはなぜ命を賭して無辜の人々のために戦うのか」という問いが本作のメインテーマなのだと思う。万丈はその答えを戦兔や永夢,歴代の仮面ライダーに求めていく。

  物語が進み,万丈は装置「エニグマ」のせいでエグゼイドの世界へと飛ばされ,そこで永夢と出会う。万丈は,永夢のもつ患者を絶対に救おうとする強い意思の中に戦兔と同じ正義を見る。対して永夢の片割れであるパラドもまた世界を移動し,ビルドの世界で戦兔と出会う。パラドもまた,戦兔の中に永夢と同じ正義を見る。それぞれのメインライダーの相棒とも呼べる存在が相手のパートナーに出会い,精神的成長をしていく構図がとても巧いと感じた。(万丈と同じくパラドも仮面ライダーとしての正義が芽生えたばかりの言わば”新人ライダー”であると言える。)スワッピングラブとか言ってはいけない

  そして物語中盤,本作の裏主人公とも言える,火野映司=仮面ライダーオーズが現れる。MOVIE大戦MEGAMAX以降,映画等でほとんど補完されることがなかったため詳細は不明だが,おそらくこの映司はMOVIE大戦MEGAMAXでの戦いのあと財団Xを追って世界を放浪していたのだと思われる。アンクと再会できる「明日」を目指し旅を続けてきた映司は,心なしかTV放送時より恰幅が良くなったように見えた。

  地割れに飲み込まれ命の危険にあった万丈の手を掴み,助け出した映司。自分を捨てなければ映司も地割れに飲み込まれると叫ぶ万丈の手をそれでも掴み続けたその姿には,仮面ライダーオーズ・火野映司というキャラクターのすべてが込められていると言っても過言ではない。

  敵の本拠地に辿り着いた映司・万丈・永夢の前に立ちふさがったのは,かつての敵・グリードの模造品。そしてその中には,かつて映司と肩を並べて戦ったアンクの姿もあった。(この時点でえもえもポイントMAXだった。)しかし,変身できない映司の首を締め上げる偽アンクに割れたタカのコアメダルが反応し,アンク(三浦涼介さん)が復活。映司の「今日のことだったんだな,お前のいる明日って。」という台詞が最高すぎてボロボロ泣いてしまった。

  偽ウヴァさん・カザリから抜き取ったメダルで”あの3枚”を揃えた後,アンクのあの台詞「今日の分のアイスよこせ。」が本当にエモ&エモofエモでまた泣いた。そして約束された勝利のタトバコンボ。終盤のタジャドル(アンクボイス)。すべての戦闘シーンが宝石のように輝いていた。僕が7年間汚く生き延びていたのはこの瞬間のためだったのだと心から思えた。

  そして最後のアンクと映司の別れ。しかし我々は知っている。映司とアンクが再び共に生きる「明日」があるのだということを。その物語が紡がれる日まで,生きていたいと思う。

 

  熱いシーンはオーズだけではない。エグゼイドのライダーたちのちょーかっこいい変身ポーズからのゲームセレクトポーズ(個人的にレーザーの変身ポーズが一番好き)がかっこよすぎて鳥肌が立った。鎧武やフォーゼ,ゴーストの懐かしい変身ポーズやアクションは,観ていた頃の楽しかった記憶を鮮やかに蘇らせた。

  あと,エンディングの主題歌メドレーが刺さりまくってつらかった。

 

  文章に残したい事柄はまだまだあったはずだが,視聴後一週間の記憶ではこのあたりが限度だと思う。BDが発売された暁にはぜひ購入を前向きに検討したい。

  松田るかさんがちょーかわいくて安心したので,Vシネマ仮面ライダーポッピーも機会があれば観たい。

 

  このとんでもないエモの塊である映画をかつて共に仮面ライダーの感想を語り合った友人と観られたことはこの上ない幸福だった。

 

また思い出したことがあれば適宜加筆したい。