歩く幽霊

元気のあるときに書くよ

そして一ヶ月が過ぎた

「2018年は2日に1回は日記を書きたい」とか抜かしてたのはどこの誰なのか。

 

  3月に入り,年度末の忙しさが本格化してきたことで残業を余儀なくされていた。(それでも他の企業よりはずっと少ないが。)

  あまり人に言えないがかなり面倒な案件も出てきて薄ら寒い思いもしてしまったし,やはり年度末は大変なのだと思い知らされた。(できれば年度末に判明してほしくない案件だった。)

  3月第二週の土曜,隣の隣の市に大学時代の友人が遊びに来ていたので,散策しがてらそばを食べたりワイン工房を見に行ったりおしゃれな喫茶店を見つけたりしてなかなか充実した1日を過ごすことができた。さらに親友のSの誕生日プレゼントも無事選ぶことができ,精神的にかなり上向きになった。

  その夜,2018年冬に放送を開始した「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の第2話〜第8話までをワインを飲みながら視聴。それまで第1話だけを観てそのままにしていたので,周りの人が騒ぐほどおもしろいのか少し懐疑的だった。しかし第4話あたりでまさかの嗚咽を漏らして泣いてしまい,自分でもかなりびっくりした。(酒のせいもあったのだと思うが,僕は基本的に『泣けるとされるアニメ』でもピークにあたる回や最終回でしか泣かない。)

  その勢いのまま最新話だった第8話まで駆け抜けた。Twitterで随時実況していたのだが,台詞のひとつひとつが繊細で美しく,1話1話が詩篇のように感じられた。特に第7話と第8話では涙が止まらなかった。(正直初めての恋人と別れたときもこんなには泣かなかった)

  散々泣いたことで精神がリセットされ,清々しい気持ちになれたことも大きい。安野希世乃さんも「涙。」で歌っているけど,泣くことってやっぱり大事で「明日笑えるために」必要なことなんだと改めて思った。日記を書いてる時点では第9話まで放送されているが,最新話でも号泣してしまった。今後どのように展開していくのか,とても楽しみな作品だ。

 

  3月第三週の土日は正月ぶりに両親の家に行った。なんとなくこの週しか親に顔を見せるタイミングがないなあと思い,ほぼ思い立ったような形で移動した。僕はよく地元の友人以外からは「全然訛ってないね」など言われるが,家族に久しぶりに会うと当たり前のように訛りが出てくるのは自分でも面白く感じた。普段はほぼ敬語なのでなるべく訛りを出さないようにしているというのもあるが。

  父はますます年齢を感じさせるような表情を見せ始めてやるせない気分になった。会話は相変わらずで少し安心はしたが,父と話せる時間もあまり多くはないのだろう。

  母はそんなに変わっていなかったが,やはり隣人との関係の悪さによる物音への過剰な反応は変わっていなかった。隣人に殴り込みをかけたい気持ちをこらえるのが少し難しくなってきた。

  弟はあいかわらずでかい割に中身はほとんど成長していないので心配になった。大丈夫か高校二年生。僕はきちんとやりたいことを見つけずになあなあで進路を選んでとても後悔したので,弟にはきちんと自分のやりたいことと向き合って考えてほしいと思うが,結局のところ自分で気づかないと本気にはなれないと思うので難しい。

 

   昔の黒歴史ブログでも書いたことで社会に出てから更に思うことなのだが,自分の完全上位互換が溢れている世界で「今自分がやっていることを自分がやる理由」を見つけられず苦しい思いをする日がある。自分にできることなんて結局のところ他人も全てできてしまうわけだし,仮に自分が今死んだとしてもすぐに交代要員が来て全く同じ仕事をこなし,組織は外形的にはなにも変わらずに稼働する。自分の代替存在なんて掃いて捨てるほどいて,「自分でなくてはいけない理由」などこじつけでもないという現実を考えさせられる。よく「自分が死んでも世界は何事もなかったかのように進んでいく」という言葉を見るが,それをやっと実感して本当にこわくなってくる。人間は自身の存在の無価値さ無意味さを自覚しては生きていけない生き物なんだと思い知る。その完全上位互換との折り合いをつけるために人間は自分だけが関わる他人と固有の関係を構築したり,特に親しい他人と結婚とかそれに類する制度を用いて家族になったりするわけで,逆にそれがないと人間は不安でしょうがないんだろうなあと考えてしまった。

  結婚とかが悪いとは言わないけど,それに至るまでの過程とそれにより受けるメリットとデメリットを考えると今の自分には恩恵が少ないし,そもそも他人とそこまでの関係を構築すること自体の難易度が高すぎて挫折するしで無理だと考えている。ために寝起きとか感情の起伏が激しい日などにそういうことができる人間が羨ましくなったりするけど。

 

 

  ひとまず今月はアルコールと「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」と先週買った「星のカービィ スターアライズ」を糧に生きていこうと思う。